小説

4作目

森博嗣『εに誓って (講談社ノベルス)』読了。凄まじい誤植は置いておこう。Gシリ−ズも4冊目になった。初めは、タイトルのギリシャ文字に意味があるのか探っていたが、どうも見えないので保留にする。 真賀田四季博士という存在が付きまとっている以上、『四…

物語らう口もまた妖しきことなり

夢枕獏『雨晴れて月は朦朧の夜―自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)』読了。 『骨董屋』の「縁綺堂」は、『ものいふ髑髏』の『もののけ街』に出てきた「縁綺堂」と設定が同じなので、同じ店かと。吉田ひろゆき『Y氏の隣人』の様な雰囲気が、心地良い様な気味が…

コナンの誕生日

あの小学生では無い方。 参考:アーサー・コナン・ドイル - Wikipedia 参考:作家別作品リスト:ドイル アーサー・コナン Googleのロゴが格好良かったので気付いた。 鼻髭がたくましいお顔。テンポの良い短編が好き。 探偵役をやってみたいけれど、殺人事件…

日記シリーズ完結

森博嗣『数奇にして有限の良い終末を―I Say Essay Everyday (幻冬舎文庫)』読了。『すべてがEになる―I Say Essay Everyday (幻冬舎文庫)』(1998年)、『毎日は笑わない工学博士たち―I Say Essay Everyday (幻冬舎文庫)』(1996年⁄1997年(抜粋))、『封印サイト…

相変わらず山多し

夢枕獏『ものいふ髑髏 (集英社文庫)』読了。 摩訶不思議満載の10編の短編集。『ものいふ髑髏』と『安義橋の鬼、人をくらふ語』(「くらふ」は変換できなかった)は、『陰陽師』の中に出てくる様な話。時代も同じ頃だろう。どこかで読んだ事があるような内容だ…

壁に背中を付けていよう

夢枕獏『悪夢喰らい (角川ホラー文庫)』読了。昭和60年に出版された同タイトル本を再文庫化したものだそうだ。その際に2編、他の文庫に収録されたためカットされている。 幽霊、妖怪、摩訶不思議。『世にも奇妙な物語』よりもさらに濃い、背中が震える短篇が…

嘘から始まる運命

清水マリコ『侵略する少女と嘘の庭 (MF文庫J)』読了。 嘘、運命、唐突、理由、呪い、過去、約束。 切なくて、幸せで、眩しくて、何があっても乗り越えられそうな勇気と希望があって。そういう2人を見ていると、こちらまで幸せな気分になる。嗚呼、純愛。 運…

表があれば裏もある

『七つの黒い夢 (新潮文庫)』読了。新潮文庫「七つの」シリーズ第3弾。ミステリィ、ホラーときて、サスペンスとは言わずダーク・ファンタジィ。 乙一『この子の絵は未完成』。本のタイトルに合わず、いきなり白乙一。子供の純粋な気持ちが生み出す奇跡を母親…

計45本の掌編物語

森博嗣&ささきすばる『悪戯王子と猫の物語 (講談社文庫)』読了。 ささきすばる氏の透明感と量感がある絵に、森博嗣氏の詩的な掌編が付いた絵本。 1つ1つ、物語を丁寧にゆっくりと読んで、情景を思い浮かべてみる。正確な絵が描ける事もあれば、ぼんやりとし…

(略して)博愛ラジオドラマ

参考:http://mbs1179.com/hakase/ 原作:小川洋子『博士の愛した数式』、MBSラジオ:3月19日(日)19時30分〜21時00分、TBSラジオ:3月25日(土)19時00分〜20時30分。 1時間半。どの位の脚色があるんだろう。楽しみだ。忘れずに録音しよう。 大切なポイン…

情報色々

『ダ・ヴィンチ 2006年 04月号』から幾つか。 神永学『心霊探偵 八雲』がドラマ化 4月3日(月曜)から、26:00〜26:30、テレビ東京にて。 現在5巻まで出ている、「脳内映像ミステリー」(笑)がドラマ化。 そんな時間にドラマ枠があったとは。ゴールデンで…

まあ、その内無くなる事態だとは思う

参考:http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200603090524.html 参考:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060310k0000m040171000c.html 参考:テクノロジー : 日経電子版 参考:google:安原顕 肺癌による安原顕氏の死から3年。時…

もう少し、センスってものをだね

ハヤカワ文庫FTの今月の新刊に、ロバート・アスプリン⁄ジョディ・リン・ナイ『個人情報、保護魔法!―マジカルランド (ハヤカワ文庫FT)』があった。 この「マジカルランド」シリーズを目にする度に思うのだが、タイトルのセンスが悪すぎると思う。 最後に「!…

「発見。文庫ポーチ」到着

参考:http://www.kadokawa.co.jp/dis/pouch/ 文庫本2冊で必ず貰えるシリーズ。2月24日までなので、まだ応募に間に合う。 「発見。オリジナル」の黒色文庫ポーチが届いた。 生地はポリエステル。薄いクッションになっていて、中々お洒落。 文庫本を入れて、…

馬と美と

舞城王太郎『山ん中の獅見朋成雄 (講談社ノベルス)』読了。 太田編集長が『ファウスト』vol.6はベストアルバムだ、と言っていたが、この小説は正に舞城王太郎のソロシングル。 ここまで見事に擬態語・擬音語を並べた文章は珍しい。 水のこぼれる様子を「もろ…

もう恋愛なんてしないなんて

桜庭一樹『荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)』読了。 「本来日本には恋愛なんてなかった!! 見合いと夜這いです!!」*1に、激しく同意するような者がこういう純愛ものを読むと、恥ずかしくて恥ずかしくて恥ずかしくて。1人で読んでいるのに。 …

恋って甘酸っぱいなあ

桜庭一樹『荒野の恋〈第1部〉catch the tail (ファミ通文庫)』読了。 普通の少女・山野内荒野と、荒野を目指す少年・神無月悠也、そして周りの友人達と、大人達。 「恋の三部作」の第1部という事だが、これ1冊で完結していても全く問題が無かっただろう。 12…

文庫版『ダ・ヴィンチ・コード』発売決定

参考:http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?mon=1&select=raigetsu ダン・ブラウン、越前敏弥訳『ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)』『ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)』『ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)』。 上中下巻とも、3月10…

受賞作を読む

舞城王太郎『阿修羅ガール (新潮文庫)』読了。 帯には、「三島由紀夫賞受賞作!!」とある。 そう、これは舞城王太郎が『煙か土か食い物』で受賞した第19回メフィスト賞以外の受賞作品。 成る程。読んで分かった。 確かに、舞城王太郎のドライブ感は健在。勢…

とりあえず見直してから

近所には、『西尾維新クロニクル』はまだ入荷していなかった。 中身を読まないと、買うか買わないか決められないので、公式発売日の30日まで待つ事にしよう。 というわけで、今回の本を買うかは未定だが、前回?の『ユリイカ2004年9月臨時増刊号 総特集=西尾…

僕らが生きてるその『MOMENT』

出来るだけ青臭く。 本多孝好『MOMENT (集英社文庫)』読了。 春樹チルドレンを意識せずに青春小説を読みたいが、中々難しい。つい、比べてしまう。 病院で清掃夫アルバイトをしている大学4年生の「僕」が主人公。 病院には、「僕」がバイトをする前から、「…

実弾は保留

未来の立場から過去が語られる物語に於いてその結末に変更は無く、しかもそれが悲劇であっても避けられようの無い決定事項である。 結末を分かっている(知らされた)読者がその物語を読む理由は、即ち、何故その結末が起こったか、何故その悲劇が引き起こさ…

「この女、俺に気があるな」

と、帯に書いてある本を本屋で見付けて、「アチャー」と思いながら手に取る人を狙っているのか、「そうそう、私、よく勘違いされるのよ」と思いながら手に取る人を狙っているのか。 どちらにしても、帯の文は本の中の文ではあるものの、それが本の文章の代表…

レタスのフライねえ

森博嗣『レタス・フライ (講談社ノベルス)』読了。しまった。一気に読んでしまった。 短編集の帯って微妙にずれていて、「怪事件に西之園萌絵が迫る!!」って9つある短編の1つの話であって、短編集の帯として"あり"なのかなあ、と思う。実際に帯になってい…

未だツンツン第5巻

少女版シャーロック・ホームズ第5巻『GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)』読了。 一弥とヴィクトリカの関係が相変わらず微笑ましい。 第3巻以降学園外出禁止だったヴィクトリカが修道院に。ヴィクトリカから書物とお菓子とフリ…

サーガがたった2編

本屋でワニ皮の表紙のノベルスを見つけた。それが舞城王太郎の小説との出会い。 その場でそのワニ皮表紙の、発行年月日の古い方、『煙か土か食い物 (講談社ノベルス)』を購入し、読み始めた。 投げようと思った。半分も読まない内に。多分80ページくらい読ん…

物語を完結させるという事

「原作:大塚英志」と書いてある漫画を見ると、ちゃんと完結してくれるのか、と不安に思う。 例えば『MADARA』シリーズも完結したのか実は分かっていない。物語の終わりを見ていない気がする。 『多重人格探偵サイコ』も何年も続いて未だ完結していないし、…

久しぶりに「妖怪漫画」

原作:大塚英志、漫画:山崎峰水『くもはち (カドカワコミックスAエース)』。くもはちは先に西島大介が『メフィスト』内で連載している漫画を読んでいたのでイメージが一変して面白い。人によって、考えが違うものだな。こんなパンクな青年のくもはちも良い…

さて、vol.7はまだか

『ファウスト vol.6 SIDE―B (講談社 Mook)』読了。 西尾維新『魔法少女りすか 夢では会わない!!』。 SIDE-Aに続き、イラスト無し。構わないのだけれど、理由があるのかしら。 vs.「六人の魔法使い」4人目、塔キリヤ。供犠創貴の意志の力の技あり勝ちか、最…

物理トリックっすよ

順調に『ファウスト vol.6 SIDE―B (講談社 Mook)』を読み進める。前巻よりペースは遅い。 北山猛邦『糸の森の姫君』。 『ファウスト』vol.4の『廃線上のアリア』に続く女子高生探偵シリーズ。殺人事件は起こらないが、物理トリックは出る。 ミステリィの短編…