考え方が違う

Mike Gancarz『UNIXという考え方―その設計思想と哲学』によると、UNIXの考え方における定理は以下のようなものがある。

  • Small is beautiful.
  • 1つのプログラムには1つのことを上手くやらせる
  • 出来るだけ早く試作する
  • 効率より移植性を優先する
  • 数値データはASCIIフラットファイルに保存する
  • ソフトウェアを梃子として使う
  • シェルスクリプトによって梃子の効果と移植性を高める
  • 過度の対話的インタフェースを避ける
  • すべてのプログラムをフィルタとして設計する

他にも重要度の低い定理が幾つか挙げられているが省略。

この記事にも同様の事が書かれていた。
ソフトウェアに限ったことではなく、道具は人が使うものであるから、それは使う人にとって使いやすくなくてはならない。
その使いやすさは、決して道具から与えられる制限などではなく、むしろ逆に制限を出来るだけ無くし、使用者が思ったとおりに使えるような道具で無ければならない。
対話形式を好み、選択肢を極力減らした道具は初心者にとっては掴みやすいものであろうが、少し慣れてくると非常に使いづらい事に気付く。
例えば、mixiは良い例だろう。
あれ程までにユーザの動作を制限したサービスも珍しく無くなってきたのも事実ではあるが、mixiはあれだけのユーザを抱えても一向に方向を変えようとはしない。
足跡は強制。色はオレンジ色で固定。コミュニティなどで表示される文字幅まで固定。サービスに新しいものを追加することも無い。
こうもUNIXと考え方が違うサービスがいつまで続くのか。
"優れた考え"がある(あった)からこそ、今まで長く生きてきたものは多い。

UNIXという考え方―その設計思想と哲学

UNIXという考え方―その設計思想と哲学