僕は僕なりの歌を歌う

人の顔の区別が付かない。
写真を持って来られて、「私、どーれだ」とか言われても絶対分からない。友達でも好きな人でも親でも妹でも。
「私、幾つに見える」とかいう質問も困る。見た目で何歳かなんて知らない。20代30代40代50代の人の顔の区別が付かないから。というか見た事が無いから。話をして、知識とか考え方から年齢を推測することは出来なくも無い。
境界条件がハッキリしていて、登場人物が限られているなら、例えばテレビドラマなどでは、区別の付けようがある。服とか話し方から見せるその人物が持つ特徴を覚えておけばいいから。
みんな似たような服を着て、似たような音楽を聴いて、似たような髪の色をして、似たような話しかしない。"個性"なんて便利過ぎる単語があって、誰もがそれを潰して無くすことを良しとしている。
芸能人が着た服を着て、芸能人の聴く音楽を聴いて、テレビを見てみんなで楽しむ。そんな生き方していれば、個性なんて確かに要らないものだよなあ、と思いつつ、みんな名前が違うのに人の区別が付かないのはちょっと困ったものだよなあ、と思っている。
みんな同じ格好なのは、きっと、波風立てまいの結果だし、全員平均並列化がもたらす良い流れも知っている。ただ、それに喜んで組み込まれている人達はつまらない、と思うことにしている。今までに例外はほとんど無い。