『学校の怪談』の思い出

講談社KK文庫の『学校の怪談』シリーズがリニューアルしていた。

新・学校の怪談(1) (講談社KK文庫)

新・学校の怪談(1) (講談社KK文庫)

小学4、5、6年生だった頃、ブームだったと思う。11年前くらいになるのかな。リニューアル版『学校の怪談』が昔と変わらず、表紙が独特な絵なのが嬉しい。
ブームの頃は、ポプラ社や他の児童向け出版社から、本当に色々と「学校の怪談」モノが出版されていた。学校で皆で回し読みしていた記憶がある。漫画『地獄先生ぬ〜べ〜*1は自分でも集めていた。
でも、一番怖かったのは、この講談社KK文庫のシリーズだったと思う。
当時の赤と緑を基調にした表紙の雰囲気が気持ち悪かった。そして、この独特の絵。当時は絵描きの名前に興味は無かったが、今はちゃんと見るようになった。楢喜八Amazon.co.jpで検索すると、『学校の怪談』シリーズ以外にも描いているようだ。
他の怪談シリーズは、怪談を実体験の様に語る。主人公が小学生だったり、その事件に関わった大人だったり、確かに鬼気迫る雰囲気はあったが、怖くは無かった。言うなら、怖がらせようとする魂胆が見え見えだった。
この講談社KK文庫のシリーズは、確かに似たような語りではあるのだが、もっと淡々としている。物語の終わりは、いかにも、「終わった」な雰囲気を出していて、読み終わった後、閉じ込められたような圧迫感と恐怖を感じる。怖がらせると言うよりも、何かを伝えられた雰囲気が合って、不気味だった。
学校の怪談」ブームが下火になったと思っている約10年前。何があったか。松本サリン事件、地下鉄サリン事件阪神大震災酒鬼薔薇聖斗、17歳、、、。現実の方が怖くなった。

*1:途中からエロ漫画路線(笑)