『学校の怪談』の思い出
講談社KK文庫の『学校の怪談』シリーズがリニューアルしていた。
- 作者: 常光徹,楢喜八
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/06
- メディア: 文庫
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ブームの頃は、ポプラ社や他の児童向け出版社から、本当に色々と「学校の怪談」モノが出版されていた。学校で皆で回し読みしていた記憶がある。漫画『地獄先生ぬ〜べ〜』*1は自分でも集めていた。
でも、一番怖かったのは、この講談社KK文庫のシリーズだったと思う。
当時の赤と緑を基調にした表紙の雰囲気が気持ち悪かった。そして、この独特の絵。当時は絵描きの名前に興味は無かったが、今はちゃんと見るようになった。楢喜八。Amazon.co.jpで検索すると、『学校の怪談』シリーズ以外にも描いているようだ。
他の怪談シリーズは、怪談を実体験の様に語る。主人公が小学生だったり、その事件に関わった大人だったり、確かに鬼気迫る雰囲気はあったが、怖くは無かった。言うなら、怖がらせようとする魂胆が見え見えだった。
この講談社KK文庫のシリーズは、確かに似たような語りではあるのだが、もっと淡々としている。物語の終わりは、いかにも、「終わった」な雰囲気を出していて、読み終わった後、閉じ込められたような圧迫感と恐怖を感じる。怖がらせると言うよりも、何かを伝えられた雰囲気が合って、不気味だった。
「学校の怪談」ブームが下火になったと思っている約10年前。何があったか。松本サリン事件、地下鉄サリン事件、阪神大震災、酒鬼薔薇聖斗、17歳、、、。現実の方が怖くなった。
*1:途中からエロ漫画路線(笑)