知ったかぶりは嘘をつく

最近、あちらこちらのホームページで見て、さらにメールでも来たので、ちょっと。
「サスペンスとミステリィの違いは」という問いに対して、「サスペンスは初めから犯人が提示され、ミステリィは犯人が最初に分からない」というのは間違いです。
英辞郎から引用。

suspense
【名-1】 サスペンス、気がかり、不安{ふあん}(な気持ち)
【名-2】 未定{みてい}の[あやふやな・どっちつかずの]状態{じょうたい}、未決{みけつ}、未定{みてい}
mystery
【名-1】 謎、神秘{しんぴ}、秘密{ひみつ}、不思議{ふしぎ}、不可思議{ふかしぎ}なもの、分からないこと、不明なこと

つまり、サスペンスは不安や未定なものを主体に置いた物語、ミステリィは謎や不思議を主体に置いた物語です。
分類する上で、"犯人"を主体に置いていません。
有名な物語で例を挙げれば、横山秀夫半落ち』は、核となる殺人の犯人が最初に示されますが、"犯人の空白の2日間"という謎が主体の物語なので、ミステリィです。犯人が最初に示されていても、サスペンスではありません。
何が媒体になって、この「サスペンスとミステリィの違い」の話題が始まったのか分かりませんが、正しい知識であることを確認した上で(辞書を引く、最低2つ以上の情報源から裏を取る、など)、知識として広めるべきだと思います。
漫画やテレビなど、最も嘘を流しているメディアからの情報は特に。