ロリキャラ・犬耳・エログロナンセンス

グレイトノスタルジア。"大いなる思い出"にして"並行世界の果て"。

試作品少女 空想東京百景 (二見ブルーベリー)

試作品少女 空想東京百景 (二見ブルーベリー)

本棚の分類としては、"小説"よりも"歴史"に入れたいところだが、小説中に出る知識はあくまで参考であって、書いてある事のメインはやはり並行世界「東京」だろう、という事で、やっぱりこれは小説。
ファウスト』vol.4収録『Beltway 環状線は緑に葬られ』、『ファウスト』vol.5収録の『Beltway 環状線は雪に微笑み』を含む、『空想東京百景』シリーズのジュブナイルポルノバージョン。
「矢ノ浦小鳩」は、『Beltway 環状線は雪に微笑み』に登場した探偵。
「ペンデントールズの隼太」は、『Beltway 環状線は雪に微笑み』に登場した蓮見隼太に加えて、漫画『ペンデントールズ』*1のハヤタの設定も持っているのか。右手が銃だし。
小説は、新型爆弾によって破壊され、混乱し、再生を果たした並行世界「東京」で、東京屠民街と名付けられたスラム街で暮らすある殺し屋の物語。
昭和37年を舞台にした、並行世界である「東京」は、現実の東京の文化(小説、映画、風俗、などなど)もあり、その文化が頻繁に出てくるのが、この小説の特徴。各章末に文化解説などもあり、当時の文化を知らない者でも読みやすいようになっている。
官能小説なので、全体に亘ってHのオンパレード。挿絵が挿絵の境界を越えて、6ページの漫画になっている章もある。"小説を買ったら漫画も付いてきた"的なお得感があって嬉しい。グロいシーンもあるが、キャラ絵が幼いので、視覚情報でそれ程嫌悪感は湧かない、と思う。
キャラクタも魔銃も格好良い。アクションもスピード感があって、一気に読むことが出来る。
設定が物凄くしっかりしている。世界観が確立している。シリーズものの1つの作品として、素晴らしい出来だ。
うーむ。小説中の世界について感想を書くのには不安がある。
まだ読んでいない、同人誌掲載の『空想東京百景』シリーズを読みたい。まとめて単行本で出版する予定はあるのだろうか。