「この女、俺に気があるな」

と、帯に書いてある本を本屋で見付けて、「アチャー」と思いながら手に取る人を狙っているのか、「そうそう、私、よく勘違いされるのよ」と思いながら手に取る人を狙っているのか。
どちらにしても、帯の文は本の中の文ではあるものの、それが本の文章の代表になる文か、と言われると疑問。
東野圭吾さいえんす? (角川文庫)』読了。
主に、2003〜2005年に雑誌に掲載されたエッセイ集。話題は、自分の仕事(勿論、作家)の話や、昔の話、野球の話に、オリンピックの話、と多肢に渡っている。
目次だけ読むと、何だか全部理系っぽい話に見えるが、中身は全然違う。もっとラフで、読みやすい。というか、理系な話はほとんど無いと思っても良いんじゃないだろうか。
毒を吐いていたり、どうでも良さそうな話をしたり、エッセィというのは、作家をより身近に感じられる。そういうのを目的とする人には格好の道具だろう。
ところで、昨日、東野圭吾氏の直木賞受賞、絲山秋子氏の芥川賞受賞が決まったそうだ。芥川賞は置いておいて、ミステリィが賞を取ったことが、幾らか嬉しい。しかも『このミステリーがすごい!』でも断突人気だった作品。おめでとうございます。

さいえんす? (角川文庫)

さいえんす? (角川文庫)