あちら側•見通し良し

梅田望夫ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)』読了。並行読書をしていたため、読み終わるのに少々時間が掛かった。乗り遅れた感が少しある。
書かれている事は、ちょっとWebを歩ける者ならば、すんなり理解出来る事ばかりだろう。Webの歴史書なのか、Web社会指南書なのか、毎日はてなGoogleWikipediaを使っている者にとっては、自分の日記かChangeLogか、と思うかもしれない(笑)。
しかし、これがちくま新書で出版され、インターネットに触れない人までが手に取るとなると、どうだろう。「無償で」「公開して」「塵も積もれば」「顔も見えないあちら側の皆と」……。受け入れ難い心情も分からないでも無い。「タダより高いものは無い」。母が時々言っていた言葉だ。
ところが、実際、GoogleはてなAmazonも、これで上手くやっている。Web 2.0という名前が生まれ、流れは確実にこの本が示す通りの方向だ。今、これに乗らない手は無いと言って良いだろう。
「これから」を見極めるためには、「これまで」を理解する必要がある。歴史がそれを語っている。この本は、「これまで」と共に「今」を歩き、「これから」を歩もうとしている著者が、「これまで」の物語を語るだけでなく、「これから」を少しだけ示してくれている。非常に親切な本と言えるだろう。
Ajaxなど、Webでは良く併せて見掛けるプログラミングの話は出てこないので、全てのジャンルの人にも読みやすいだろう。
この本を読んで改めて感じた。「今」は、本当に素晴らしく、面白い時代だ。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)