変なおじさんの真理

マギー司郎がテレビに出てくると、大抵、縦縞のハンカチを横縞にする(逆もある)手品を見せる。

テレビ画面から聞こえてくる笑い声は、「またかよ(飽き)」「手品じゃない(否定)」の感情の篭もったものが多い。マギー司郎自身もそれを狙っているので、その空気を特に弄ろうとはしない。
僕は、この手品を見る度にいつも、綺麗な皮肉だなと思う。誰も不快にさせないし、そういう皮肉の意図を隠して何度も見せる。
この手品は、マギー司郎のキャラクタである、ちょっとボケた感じの普通のおじさんがやっているから、皮肉に気付きにくいかもしれない。だが、例えば、数学者とかミステリィ作家がこの手品をして見せたら、どう思うだろうか。
ユーモアはアイロニィと紙一重