計45本の掌編物語

森博嗣&ささきすばる悪戯王子と猫の物語 (講談社文庫)』読了。
ささきすばる氏の透明感と量感がある絵に、森博嗣氏の詩的な掌編が付いた絵本。
1つ1つ、物語を丁寧にゆっくりと読んで、情景を思い浮かべてみる。正確な絵が描ける事もあれば、ぼんやりとした夢のようなイメージが浮かぶ事もある。悲しいと思う事もあれば、笑う事もある。
著者紹介の「トーマという名の犬を飼っていた」が涙を誘う。
森博嗣アイソパラメトリック (講談社文庫)』読了。
写真と掌編が合わさった、2001年に限定出版された書籍の文庫版。
『悪戯王子と猫の物語』と同様、掌編はどれも様々な色を持った物語になっている。全ての物語が1ページから1.2ページの長さで、常に写真と共に見開きで完結している。この掌編を種に、もしかしたら長編に育つのでは、と思わされる様な掌編でも惜しみなく出している。写真のタイトルも、1つ1つが秀逸。
「森都馬の日常」で森博嗣氏の姿も。いつかは「森パスカルの逡巡」も見てみたい。


両方とも、机の上に置いておいて、ふと目に入ったときに手に取って、適当に開いたページの物語を読んで、その感覚を味わう。そういうランダムアクセスにも対応した、贅沢過ぎる本。

悪戯王子と猫の物語 (講談社文庫)

悪戯王子と猫の物語 (講談社文庫)

アイソパラメトリック (講談社文庫)

アイソパラメトリック (講談社文庫)