ガン

中学の時からの知り合いで、高校の時のクラスメイトが癌で亡くなったそうだ。さっき、母からの電話で聞いた。新聞の「おくやみ」欄で発見したそうな。
同級生が癌で亡くなったのは、初めての体験になる。これからもそういう体験をするのだろうか。自分が癌で死ぬ場合もあり得る。
人間が複雑過ぎるのだろうか。現在の人間の技術が未熟過ぎるのだろうか。知らない機構で自分が動いている、というのはちょっと不自然な気がする。誰の設計だろう。ブラックボックスが多過ぎる割には、インタフェースが複雑だ。自己破壊プログラムが内包されているから、もしかしたら正しい構造なのかも知れない。
人間の構造が完全に把握出来れば、未知の病気が無くなって、寿命の長さが自由自在になる。そうなれば、人口増加問題は多分もっと大きな問題になるし、死に対する認識がどんどん薄くなるかも知れない。それは生物として間違った存在なのかも知れない。だから、目に見えない手が、決して我々が人間のブラックボックスを開かない様に操作しているのかも知れない。ブラックボックスパンドラの箱か。開けたらまた様々な災いが飛び出すのか。それでも研究者達は、開けてみたい、見てみたい、突き止めたい、と思っている。それが研究者だ。好奇心に、良いも悪いも無い。好きなのだ。
大学近くの国立がんセンターには毎日結構な数の年寄りが出入りしている。早期のバグ発見は、安心して生きるために必要なのだ。自分が好きだから。