上京状況

かつて東京に出て来て田舎に戻った父と、東京に憧れて出てきた息子、という要素だけは、僕の境遇と同じ。僕のオカンもオトンも、あんなに田舎臭くない。
2002年3月31日夜。田舎の駅から、東京行き深夜特急(B寝台)に乗った。
切符を買う時に、片道を買った事に軽く感動した事を覚えている。帰らなくても良いんだな、と。
父、母、妹が見送りに居た。
ドラマの様に、手紙だの握り飯だのは一切渡されず、ただ改札を通り、手を振って別れた。
後ろめたさも郷愁も湧くこと無く、ただ上京してからの事を考えていたと思う。
向かいのベッドは汚くないおっさんだった。
他人が多いと眠れない。軽く寝たものの、静岡を過ぎた辺りからは、起きて窓を見ていた。
早朝でも人が多い東京駅。
中央線で国分寺に行き、不動産屋が開くまで駅前のマクドナルドで時間を潰した。
この時は、体重が90kgくらいあった様な気がするのだが、もう覚えていない。