新本格とか

佐藤友哉フリッカー式』と舞城王太郎『 山ん中の獅見朋成雄』が文庫化されていて、平積みになっていた。
佐藤友哉は初文庫。第21回メフィスト賞にして、鏡家サーガ第1作であり、「ああっ、お兄ちゃーん」と云う方に最適な『フリッカー式』が2001年7月発売だったそうなので、5年半以上経って漸く。第23回メフィスト賞西尾維新クビキリサイクル』はまだまだな気がする。
僕が初めて佐藤友哉を読んだのは、『クリスマス・テロル』が出版された頃で、まず『フリッカー式』を買って読んで、おたくネタと純文学ネタを織り交ぜ含んだテンポが良く密度が高い文章にはまりにはまり、一気に後3冊買い、(個人的に)伝説のあの断筆宣言を読み、大笑いし、『ファウスト』vol.1からの色シリーズでやっぱこいつは凄いと感じ取り、純文学でハードカバーを出している間は、文庫化を待っている状態で読んでいないのだが、常にアンテナを張って心で応援していた。
色シリーズも鏡家サーガナイン・ストーリーズも、出版されるのを楽しみにしている。
この流れでは、舞城王太郎『暗闇の中で子供』は文庫化しない方向なのかなあ。二郎の存在が一番栄えている、小説家が最も実力を発揮する第2作だというのに。