僕の将来計画

20xx年ある月ある日ある時間。
プルルプルルプルル
僕「はい」
妹「あ。もしもし? お兄ちゃん? (妹の名前)やけど。(中略) あんな、こっち、(ある場所)にマイホーム建てたんやんか。で、家の庭に離れの部屋があるんよ。でな、今んところな、誰も使う予定が無いしけー、お兄ちゃん、こっち来て離れに住まへん? ずっと1人暮らししとるんだったら、こっち来た方が家賃とか掛からへんで、良いんちゃう? まあ、暇な時でええから、見に来んせえ。な?」
僕「旦那さんは何か言わないの?」
妹「うん。OKって言っとるしけー、大丈夫だで」
僕「うん。じゃあ分かった。見に行くわ。また連絡する」


引っ越しの日。
僕「お世話になります(ぺこり)」
妹「何やっとるん(笑)。自由にしとってええからな。お兄ちゃんの部屋だしけー」
僕「(旦那の名前)君も、よろしく」
旦「あ。いえいえ。こちらこそよろしくお願いします。義兄(にい)さんは家族ですから。一緒に暮らしていきましょう」


数年後。
旦「ねえ。義兄さんはいつ出て行くつもりなんだろう」
妹「……」
旦「食事と風呂の時以外ほとんど離れから出ないし。働かないし」
妹「お兄ちゃんの悪口はやめてよ」
僕、母屋に夜食を漁りに来た所で偶然聞こえてしまい、盗み聞きを続ける。
旦「でも、君がそうやって義兄さんに何も言わないから、義兄さんは何もしないんだぜ。お金は問題無いけど、いつまでもこのまま置いておくわけにもいかないだろう? (子供の名前)にも良い事ないよ」
妹「……分かった。明日お兄ちゃんに言うわ」
僕、静かに離れに向かい、電灯を消して、布団に横になり目を閉じる。
妹、窓が暗い離れを何かを決意した様な目で見つめる。
イメージ映像(『劇画 オバQ』より)


翌日朝。
コンコン
妹「お兄ちゃん? 話があるんやけど」
コンコン
コンコン
妹「お兄ちゃん? 入るで?」
ガチャ
誰も居ない部屋。
本が積み上がり、パソコンの電源は切れている。
静寂。
物が減った様な気がするし、気のせいかもしれない。
妹「……」


ある夜。
繁華街通りから離れた道。
男に近づく若者の集団。
チャラ男「サーセンwww。おっさん、お金、持って無いっすかwww? 俺ら、お金無くって、恵んで欲しいんすけどwww」
ぅ……ぇ…………僕は、持ってい
チ「うるせえなあ! 出しゃあいいんだよ! 出しゃあ!!」
ボコバキバキボコ
チ「ちっ。300円かよ。マジこいつ持ってねえしwww。死ねよwww」
目一杯の力でチャラ男に蹴られる男。
ふっ……はっ……ゲホゲホゲホ」
去っていくチャラ男。
ゴミ捨て場に倒れ、ゴミにまみれている男。
誰も居ない。
暗い空。
静寂。


「どこで選択肢間違えたかなあ」


エンディングスタッフロール


おおうああああああああ。
書きながら映像を再生して、中途半端にリアル過ぎて全僕が泣いた。吐いた。
駄目だ駄目だ。これだけは、駄目だ。