ローカル線で

昨日20時半過ぎから常磐線に乗って柏に帰ろうとしていた時の事。
途中の駅で乗ってきた水商売風の女性は、とても疲れた雰囲気を出して、席が埋まっているのを睨む様に確認して、ドアの側でもたれる様に俯いて立っていた。次の駅に着いた時、幸いかそのドアの側の席が空いて座る事が出来て、電車が進み出して暫くしたら、思い出し笑いをしていた。
ある駅で走って乗り込んできたハゲ気味の男性は、ドアにキスをする様に顔の前面を貼り付けて目をつぶって立っていた。電車が止まる度にドアから顔を離して、また電車が進み始めたら同じ姿勢になった。
学部2年の時だったか、普通乗車券だけ買って、国分寺から実家のある兵庫県北部まで特急を使わず普通列車で帰った事がある。朝一の電車に乗り、東海道線経由でJR東日本から西日本までをのんびりと活用した。到着した頃には夜になっていたと思う。
ローカルな線に乗っていると、新幹線と違って、乗客の生活から見た特徴が分かる。
新幹線はある地点からある地点までの遠くの移動のために利用されるので、外のものに無関心で黙って移動する荷物の様な乗客達ばかりだが、ローカルな線は、自転車などで行くには遠い少し離れたところ、学校だとか施設に移動するための手段に利用する人がほとんどで、線路の外側に何があるかが伝わってくる。
紙袋を下げた老婆、鞄を足下に置いて談笑する学生、窓の外を見る風でもなくただぼんやりと顔を上げている女性、揺れない吊り下げ広告。