テンプレートの必要性

武道でも舞踏でも、型というものがあって、入門すると上の人からまずこれを教えられ、ある程度マスタ出来るまで次のステップには進めない。勿論それらに限らず、型というものはあらゆるところにある。料理の型は切る計る焼く煮る等だろうし、語学で言えば文法や文型、数学で言えば公式が、型に相当する。この型を体なり頭なりに基礎として身に付ければ、次の応用が「自分で」出来る、というわけだ。
統合開発環境Eclipseを使う機会がある時に、幾つかある便利だと思う機能の1つに、emacsでもvimでも出来るので特別に良い!とは思えないが、テンプレート機能がある。ファイルを新規作成したときに、自動的にあらかじめ作っておいたテンプレートファイルを読み込んで、その内容を新規ファイルに書き込んでくれる。このテンプレートが充実していれば充実しているほど、プログラミングが楽になる。単純に、打鍵数が減るというのもあるが、テンプレートを見ればテンプレートを作った人(過去の自分)の意図が伝わり、今の自分の考えをその上で反映させることが出来るというのは、1人のプロジェクトでも複数人のプロジェクトでも便利に感じるだろう。
そういうわけで、テンプレート、型というのは、先人の知恵や経験の洗練といった、過去から受け継ぐべきレールとポイントが配置された、優れた要点集だと言える。要点と雑念を混ぜれば新しいものが出来る面白さがあるし、新たな要点が生まれる余地だって十分にある。
教育を洗練するとしたら、この型を徹底的に抽出し、伝達する方法を吟味するべきだろう。それをマニュアル化と言ってしまうとマスゴミ脳。