同名

自分の名前が好きだ。小学生の時、父親から直接、自分の名前の漢字を教わった。それ以来、変わる事無く自分の名前がとても好きだ。
常用漢字外の字が使われている所も、漢字が全て非対称なのも、ローマ字で書くと全ての母音が含まれている所も、名前の全てが好きだ。MS-IMEはそのままでは僕の名前は出ない。読み方を変えて変換する必要がある。だから、Microsoftは嫌いだ。
これ以上良い名前は無いと思っているので、苗字を変えるつもりも、改名もするつもりは全く無い。親にはとても感謝している。

さて、その感謝している親の居る実家から荷物が届き、郵パックの宅配が来た。
とても聞き取りづらい話し方をする人で、気持ち悪いなあと思いながら扉を開けたら、「同じ名前なんですよ」と、やはり聞き取りづらい話し方をしながら荷物を渡してきた。
見たら、確かに同じ漢字で同じ読み方だった。苗字は違ったが。
宅配人曰く、「初めて同じ名前の人に会いました」だそうだ。僕もそうだったが、どうも話に乗ると馴れ馴れしくしそうなタイプだったので、終始興味の無さそうな態度で、適当な返事をしてその場を終わらせた。
名前というのは、本来はラベル以上の性質は持たない。それでも、「名前に負けない」「名折れ」などの言葉があるように、そのものの性質の一部を表しているのは間違い無い。
自分の名前を超える者になろう。