逃げんな、コンチクショウ

最近のお笑いブーム以降に出てきた芸人はほとんど嫌いだ。
ジャンガジャンガもギター侍もあるある探険隊も、ネタを1つ出す度に、決めポーズなのかよく分からないフレーズを挿入する。
何度も挿入されるフレーズのおかげで芸がぶつ切りになって、フレーズ前の芸がリセットされて次の芸に移っているように見える。事実そうだろう。
ぶつ切り芸のおかげで、1つ失敗してもお決まりフレーズでリセット、無かった事に出来て、次の芸は何の関連もないものが現れる。
要するに、逃げの姿勢なのだ。全体を批評されるのが怖くて、弾を数撃って起こるかも知れない失敗を誤魔化す。失敗をした場合の流れを引きずるのが怖くて、何でもかんでもリセットして時間だけを消費する。
最近の歌手はピンが少なくて、モーニング娘。やジャニーズなど3人以上の複数で歌っている集団が多いのは、責任を負うことが怖いから(1人で責任を負う事を知らないから)皆で歌わざるを得ないからだ、というような事を過去に書いたが、今の芸人の思考にも同じ事が当てはまるだろう。
漫才や落語には流れがある。登場から去るまでが芸であり、リセットは無い。確かに、流れの中で失敗したら(受けが悪かったら)、流れを引きずる事もあるだろう。だが、優れた芸人は挽回する。再び流れを自分の望む方に引き込む。それが芸人の腕の見せ所では無いだろうか。
日常のあるあるネタを集めて並べるだけなら、小学生でも出来る。
さて、僕がラジオ以外で聞く数少ない音楽であるプログレッシブロックの代表、GENESISが復活するそうだ。

プログレは、1曲の時間が長いものが多い。5分以上は当たり前。15分以上のものもある。
曲はギターソロやドラムソロ、オルガンソロなどのパートに分類する事は出来るが、曲には流れがあり、統一感を感じる事が出来る。1つの物語だと言っても良い。同じ感覚をジャズでも感じられる。
どこぞの先生の様にゲーム脳を持ち出す気は無いが、リセットに甘んじ、責任から逃げ、短い物語に満足する者にはなりたくない。