空が繋がっている

sola』が終わった。
依人が普通の人でないと分かった中盤以降で予想された通りの終わり方と、残された者達。終わりの絵には何のどんでん返しもなく、魔法も無い。極々自然に、予定調和に、終わった。
茉莉と依人が居なくなっても、思い出を残された蒼乃も、記憶が失われた石月姉妹も、新しい何かを得ていた。心を取り戻し、1人で青空の下を歩く強さ。忘れているが、空の事が好きだった者の思いを受け継ぎ、空を見続ける行為。残された者達の中に、居なくなった者達の思いが残っている。だから、茉莉も依人も居なくても、彼女等は一緒に居た。
依人がかつて言った茉莉に空を見せる方法を、既に第2話で見せていた事には、驚いた。茉莉が天井の空の写真を見た時に言った「ずるい」という言葉に別の意味が加わり、あの時依人の家から出て行かなかった理由に十分納得出来た。溜息をつく程に。
夜禍人というキーワードを知り、依人側と繭子側を結び付ける役割を担っていた様で、物語の本質に決して関わらなかった、石月姉妹の物語上の立場はとても面白かった。関係者でなく、傍観者でなく、空回りでもなく、事件と日常のエッジというポジションに立たされ続けた石月姉妹は、『sola』がゲームであれば選択肢を限定されたプレイヤであり、立ち回りを限定された劇中の登場人物だった。ある意味で幸せだし、別の意味でとても辛い。
最後までジョークを忘れない、久弥節が久しぶりに見られて、最高でした。
青空も、雨の空も、夜空も、同じ空。
http://www.flickr.com/photos/laclef_yoshiyasu/694696827/
お、今夜は月が見える。