研究室旅行で思った事

華厳の滝尾瀬を回って、今となっては至極当然の光景なのだが、旅行メンバに限らずそこに居る人達はみんな、携帯電話やデジタルカメラで写真を頻繁に撮っていた。
その慣習に漏れず僕も写真を撮りまくって、結局2泊3日で、人を写した写真が29ファイル、風景を写した写真が224ファイル出来た。
ふと、これだけ色々な人が写真を撮っていれば、僕が写真を撮らなくても、他人が撮った写真を見れば十分じゃないだろうか、自分の記憶には自分の目で焼き付けて、他人の視線というものを写真で確認する方が面白いのではないか、と考えていた。
と同時に、テレパシィ能力を持っているが両目が見えない女の子が、その超能力を活かして、常に他人の視線(思考)を読み取る事で、健常者と同じ様に生活している、但し、自分の周りに誰も居なければ自分の周囲の状況を判断する事が不可能になり危険に陥る、という様な設定の漫画があった事を思い出した。
結局、旅行中にその漫画が何だったか思い出せず、悶々として帰ってきて、翌日、思い出せる柔らかめの絵柄から海野螢陽気婢辺りだろうと探していたら、陽気婢の『身想心裡』という短編集の中にあった。
引用を繰り返す事による意志の伝達、知識の構築については、アニメ版『攻殻機動隊』『イノセンス』辺りで感じられるわけだが、電脳やテレパシィが無くても、今でもそういう事は実現可能になっているのかもしれない。但し、電脳であれば共通データベース(Web)、テレパシィであれば常に思考が垂れ流されている事を前提にしないといけないわけだが。