お前が呪について話すとなんだか分からなくなってしまうのだよ
夢枕獏『陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫)』『陰陽師 太極ノ巻 (文春文庫)』読了。
『堤中納言物語』に載っている「虫めづる姫君」こと露子姫登場。キャラクタが強くて、短編1つに留まらず何度か登場。目指せ準レギュラ。
賀茂保憲も登場。漫画版とは随分性格が違う。こっちの方が好きかな。エリートって感じがしないが天才肌って感じ。
話はどれも、『今昔物語』や『宇治拾遺物語』を読んだことがある者なら、ああ、あの話だな、と懐かしく思ったり、混ざり具合や弄り具合(パロディ)にくすっときたりする話ばかり。
晴明の屋敷の簀子に座す晴明と博雅 ↓ 博雅「自然とは……」 ↓ 晴明「それは呪だよ……」 ↓ 博雅、混乱しないように晴明の話を聞く ↓ 晴明or博雅が最近の事件について語る ↓ 「ゆこう」 「ゆこう」 そういうことになった。
ほぼ毎回必ずこのパターンで始まる物語で15年以上になる「陰陽師」シリーズだが、終わりそうに無いのが嬉しい。
僕が漫画版の岡野玲子『陰陽師』を読んだのが中学3年の時。図書館で小説版を借りたのが高校1年の時。引っくるめて約8年の付き合いになる。
あとがきでも「どうやら、一生書いちゃうことになりそうです」と書いてくれている。構わない。ずっと、ずーっと、安倍晴明と源博雅の物語を見せて下さい。
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