昭和演劇

古屋兎丸ライチ☆光クラブ (f×COMICS)』読了。
睡眠時間を削ってでも、というか、途中で止められずに、時間も忘れて没頭して漫画を読んだのは久しぶりだ。
飴屋法水主宰の劇団「東京グランギニョル」によって上演された『ライチ光クラブ』にアレンジを加えて漫画化したもの。あとがきにはその経緯や実際の上演がどの様なものであったかが書かれている。
地下の秘密基地で9人の少年と、少年達が作り上げたロボット「ライチ」、そして、ライチが少年達の命により誘拐してきた少女「カノン」。いつ間違えたのか、初めから狂っていたのか、クラブは崩壊に向かっていく。
美について、人間について。恐怖、疑心、愛、友情、悲哀、破滅。
グロ描写を惜しみなく描いているので、人によっては不快に思う描写もあるかもしれないが、必要性を感じさせるグロさだ、と思う。恐らく、この汚さを描かなければ、語られる美に深みが生まれなかっただろう。
良い機会だと思い、昭和の演劇について調べていたが、Webでは実資料を得る事が非常に難しく、断片的な知識に留まった。実際の上演映像を見たかったが、今のところその望みは叶っていない。その時代を生きた者にしか許されない文化の触れ合いがあるのかもしれない。ならば、僕はこの時代に生きて、この漫画を読む事が出来た事を誇りに思おう。
「ライチ ラライチ ララライチ」

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)