コミケでiOSアプリを販売する方法を考える
出来るだけコミケに限らず、手渡しによるiOSアプリの販売手法を考える。
Androidアプリであれば、Market未登録の野良アプリでもapkファイルをCD-ROMに収録して販売/配布すれば、購入者各自のAndroid端末でSDカード経由などでインストール可能なので問題ない。
iOSアプリの場合、必ずiTunes Store経由でアプリをインストールする必要があるので、こうはいかない。ユーザテスト用アドホック配布を用いるのは、購入者によるiPhone構成ユーティリティによるUUID参照と通知の手間、配布アプリのUUID登録数に上限があることなどがネックとなり、コミケでの販売手段として不向きだと考える。
その場でiPhone/iPod touchを借りて販売者のPCによりアプリをインストールすることも不適当である。アプリはダウンロードしたアカウントと紐付けられるので、販売者がダウンロード/インストールしたアプリを購入者が後日アップデートする場合は販売者のアカウントが必要となり、実質アップデート不可となるので(次回のコミケでアップデート対応ということは出来るが)避けるべきである。
思い付いたのは、iTunes Storeのアプリ詳細画面にある「このAppを贈る」機能を使うことである。
使ったことはないが、宛先のメールアドレスと名前を入力すれば、こちらがアプリの代金を支払う形となり、メールの受け取り側は無料でアプリをダウンロード出来るそうだ。
アプリ購入者にはコミケの会場でお金を支払ってもらい、メールアドレスと名前を教えてもらう。手書きは誤字等トラブルになりそうなので避ける。予め名刺などを持参するよう呼び掛けるのも良いし、iPadで簡易入力フォームアプリを作ってテーブルに置いて入力してもらうのも良いだろう。後日、入力してもらったメールアドレス宛に、販売者から「このAppを贈る」で自分のアプリをダウンロードしてもらう。
大手でもなければ気にしなくてもいい事かもしれないが、その場でメールアドレスを入力してもらうとなると順番待ちの列が出そうだ。
「このAppを贈る」には「ギフトをメールで送信する」か「ギフトを自分でプリントする」という2つの手段が提供されているらしい。メールアドレスを聞かずに、予めアプリのギフトコードをプリントした紙を販売すれば、通常の販売と同様、列をさばくことが出来る。但し、メールアドレスを聞いて後日配布するのと異なり、アプリの販売数はプリントした紙の枚数と同一になる。「売り切れ」ならまだ良いが、「余り」が出てしまうと予めギフトとして購入したアプリの代金が無駄になってしまう(ギフトコードに有効期限はあるのだろうか?)。従って、購入者数の正確な読みが求められる。
アプリ購入者にはアプリを購入してから手に入れるまでの時間差が発生するが、コミケ限定の価格としiTunes Storeに登録した価格よりも安く売ればお得感を演出できる。あるいは、アプリの価格はそのままにして、購入時に特典(アプリではなく実際のもの。例えば小冊子など)を付加価値とする。販売者は予めにしろ後日にしろiTunes Storeに登録した価格でアプリを購入する必要があるので、その販売段階では実質マイナスになるが、アプリ内課金やアプリを用いた活動で収入を得ることでマイナスを補うことが出来ると考える。あるいは、抱き合わせ販売によりアプリ単価より高い価格で販売することで儲けを出すことも出来るだろう。