ギャップの素晴らしさというかやっぱり緻密さ

真ッ赤な東京 (集英社文庫)

真ッ赤な東京 (集英社文庫)

ちなみに、集英社文庫から出ているが、小説ではなく4コマ漫画集なので、一応注意。
google:常盤雅幸と検索すると、現在約250件。何とも少ない。誤字があるかと疑ってしまった。それだけ、まだマイナということか。

絵が細かい。妙に真面目っぽい。内容も、一見は真面目だ。真面目というか、皮肉だ。読めば読むほど何か伝わってくる。それは皮肉から伝わってくる面白さや皮肉を描ける視線の面白さや、時にじわじわ、時にどっと、色々なものが伝わってくる。
それだけこの4コマ漫画には情報が多い。3コマ目で一度目を止めて、4コマ目に何が来るのか考えるのも面白い。オチに追い討ちがある。想像を遥かに超えたオチを見せてくれる。それだけ、作者の視点が面白いく確かなものだという証拠だ。
残念ながら、公式サイトの4コマ漫画では、題名が最初にリンクに書いてあるので、題名を見てから4コマ漫画を読むことになるが、本では、題名は4コマ目の下、ページの一番最後に来る。これもまた計算だろうか。成る程、と思うものが多い。4コマ目がオチなら、題名がオチた漫画をパシッと閉じた感じがする。この漫画を熟読した者なら、きっと、題名を聞いただけで漫画を思い出すことが出来るのではなかろうか。それだけ、題名も上手い。
情報に満ち、センスに満ち、精密に仕上げられた漫画集である。