『獣シリーズ』はこれで完結?

ファウスト vol.6 SIDE―B (講談社 Mook)』の浦賀和宏『リゲル』読了。来年春に単行本刊行予定。
戦争中の混乱や、エグさ、人間の感情剥き出しの様子を書いた物語。一見ファンタジィなので、浦賀和宏の小説だという事をふと忘れることがあるが、人食いの話やちょっとグロいシーンが出てくると、改めて思い出す。
森を舞台にした前回までの物語とは少し異なり、防空壕という閉鎖空間での限られた人達のやり取り。疑惑、不信、葛藤、恐怖、混乱、保身、犠牲、論理、本能、、、。様々な考えが飛び交い、混じり、人はそれぞれに行動する。
ファウスト』連載は、これで完結らしい。"完結"と言われても、戦争の意味は第1話で暴露したし、幾らでも人を中心とした物語が書けそうで、何をもって"完結"とするのか、連載分だけでは曖昧なまま。