人間失格

もっと腕にSilver巻くとかSA!
ライトノベルに於ける絵の重要性は理解しているので、この結果も理解出来る。
この時期、各社文庫は夏のキャンペーンをやっていて、集英社文庫はナツイチキャンペーンで蜂のストラップが貰える。
というわけで、文庫コーナに行くと、古くさい文庫本がキャンペーン対象本として平積みで並べられていて、この『人間失格』もその一角に置いてあった。
オサレなのは表紙カバーだけで、当然か挿絵は一切無く、中身は至って普通の『人間失格』。巻末に太宰治の略歴が数ページ載っていた。
これを手に取って読む人が、表紙買いで騙されたと思うのか、気に入るのか、mixi日記のネタに使うのか知らないが、どう見ても太宰治の作品、『人間失格』を表現している表紙とは思えない。彼はまあイケメンではあるだろうが、こんな「計画通り」の様な不敵な感情のこもった笑みを浮かべる事は出来ないと思う。
そもそも、著作権フリーになった、青空文庫で読める物語を、わざわざ本という紙媒体を選んで買った人というのは、物語そのもの以外に価値を見出した人なのだろう。レジで貰える蜂のストラップかもしれないし、オサレな表紙絵かもしれないし、太宰治のファンで全作品全種を収集する事が目的なのかも知れない。
まあ、上手い商法ですね。