久しぶりに「妖怪漫画」
原作:大塚英志、漫画:山崎峰水『くもはち (カドカワコミックスAエース)』。くもはちは先に西島大介が『メフィスト』内で連載している漫画を読んでいたのでイメージが一変して面白い。人によって、考えが違うものだな。こんなパンクな青年のくもはちも良い。
妖怪話と小説家を絡めて進む歴史フィクション物語。
登場する妖怪は、河童、ろくろ首、一つ目、妖精。登場する小説家は、柳田國男、田山花袋、石川啄木、アーサー・コナン・ドイル。他にも小ネタに色々な有名人物が登場する。
絵が丁寧。
大塚英志『くもはち 偽八雲妖怪記 (角川文庫)』。上記漫画の原作。同タイトルの章の物語は漫画内の物語とほぼ同じ。
幾つかの物語が省略された感じで、続きの物語がありそうな雰囲気の物語だが、1話1話充分楽しめる。歴史というノンフィクションとフィクションを絡め、良い感じにエンタテイメントになっている。帯には「民俗学ミステリィ」と書いてある。成る程。
「一ツ目と白骨」は漫画版オリジナル、「怪談と十五銭」は小説版オリジナル。
どちらも、明治の混沌とした雰囲気や、希薄な人間関係が上手く出ている。民俗学の一端をしっかりと見せてくれる。
- 作者: 山崎峰水,大塚英志
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